セブ島の洋食レストラン「スキレット」のオーナーシェフブログ

フィリピン・セブ島で洋食レストラン「スキレット」を経営するオーナーシェフによるブログです。

セブ島の洋食レストラン「スキレット」ができるまで①

2015年の4月にセブ島に移住してきた僕らは、レストランを作るべく動き出しました。

 

この時期によく聞かれていたのが「どんなレストランを作りたいか」でした。

でも、僕はけっこう曖昧にはぐらかせていました。

というのもこの時点ではイメージを固めすぎずにいたかったからです。

 

まず考えたかったこと、知りたかったことは

「セブで、いま、何が求められているか」でした。

これ抜きに自分のやりたいことだけ押し通そうとしてもうまくいかないだろうと。

どんなに良いものでも誰も求めていなければ意味ないですよね。

 

・子どもを安心して連れて行ける場所が欲しい

・細分化するニーズに対応出来る店がない(専門店化、居酒屋化傾向にある)

・行くたびに違うものが出てこない店があるといい

・フィリピンだから。。みたいな言い訳が透けてこない店が欲しい

・日本人が作る料理が食べたい(日本人が、日本で食べているもの。のようなイメージ)

・レストランとして、ではなく空間として、居心地のいい場所がない

・ヒットチューンばかりでカッコイイ音楽がかかってる店がない

・呼ばなくても来てくれる接客ができる店が欲しい

・品切れの商品がない店が欲しい

 

などなど、もちろん他のお店に対する不満ではなくて(案外フィリピンだしねーで済んでしまって腹も立たないことが多い)、単純にもっとこう言う店があったらいいなっていう感覚ですね。

まぁこれがどれだけ大変かは、もちろんスタートしてから嫌というほど思い知らされるわけですが。

 

というわけで、全体的には求められているものを考えながら場所を探していました。

ここでもしイメージを固めすぎてしまうと、とても危険です。

だって高級住宅街を抱える場所と、若者が集まるダウンタウンでは全く求められているものが違いますよね?

僕らは何の実績もないしコネもなかったので、場所が選び放題ではありません。

むしろ、ほとんどのところは取り合ってもくれません。

なので「こういうことがやりたいから、それに合った場所を探そう」という方法は取れず、

「この場所にはこれが求められているから、それを追求しよう」という形でやるしかありません。

 

やるからには必要とされるお店にしたい、喜ばれる形にしていきたい、

これは当時も今もずっと考え続けている課題です。

まだまだ理想には遠く、時折白目をむいたりしますが日々前進していきます。